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玉川学園循環バス乗車記

試験運行初日は無料乗車の太っ腹

※東ルートの乗車記(2007年3月21日)はこちらです。

 小田急線沿線では成城学園と並び称される高級住宅街にして、これまでバスの便が事実上なかった、町田市の玉川学園地区。2005年3月21日、玉川学園前駅を起終点に駅北側を循環するコミュニティバスの試験運行が始まりました。当日は晴天の下でセレモニーが行われ、狛江営業所から借り入れた小型車2台が相次いで駅を出発、初日に限って運賃無料とあって超満員の状況でした。筆者はセレモニーに引き続き、さくらんぼホール経由の便に乗車してきました。


▲テープカットの瞬間。右から2人目が小田急バス・尾淵社長

 小田急線の各駅停車で玉川学園前駅に着くと、セレモニーの準備は既に整っていて、D560号車が鎮座していました。シークレットの新車を期待していた筆者にとっては肩透かしでしたが、現行型式のきれいな車両なので、特に不満ということはありません。会場ではコミュニティバスの乗車券として使える記念乗車証を1枚170円で販売しており、筆者は「まず使わないだろうなぁ」と思いつつ、保存用を含め2枚買ってしまいました。
 来賓の紹介等はおおむね滞りなく進み、あいさつした町田市の寺田和雄市長、町田警察署の飯田義和署長、小田急バスの尾淵裕保社長ほかの皆さんでテープカットが行われると、正面に陣取った関係者やファン(含む筆者)が一斉にシャッターを切っていました。


▲花束を受け取るD560号車の運転士さん

 最後に、担当運転士への花束贈呈でセレモニーは終了。プレゼンターは地元の幼稚園(年中)に通う女の子で、周囲から「かわいい〜」との声が上がり、贈呈後は運転士さんともども格好の被写体になっていました。


▲来賓を乗せて出発するD560号車

 第1便の出発となりましたが、小田急バスの一般路線車で最小クラスのエアロミディMEのこと、来賓に加えて一般客も一緒に処女運行を楽しむのは不可能ということで、来賓のみ2回に分けて路線を回ることになりました。一般乗客は続行でやってきたD555号車に乗り込むべく、駅前のバス停に列を作っています。ちなみにバスの正面、玉川学園コミュニティバスのエプロンに描かれたイラストは、みつはしちかこさんの書き下ろしです。


▲正規のLED行先表示を出し、続行するD555号車

 続行第1便は超満員のためあきらめ、ルートを一周してきた第2便のD555号車(11時45分、きょうの実際の発車は12時)に乗り込んでみましょう。この時刻の便は「さくらんぼホール経由」で、所要時間が5分長くなります。
 玉川学園前駅をやはり満員で出発すると、東京都民銀行の角を右折し、狭い上り坂へ。でも、ここで「こんなきつい道を走るのか」と驚くのは早すぎます。コミュニティバスの路線はその大半が、急な上り坂か下り坂のいずれかで、乗用車でもすれ違いに苦労する狭い道ばかりでした。住宅街を右に入り、左に折れ、都営住宅の棟の間をすり抜けていくうちに、地元在住でない筆者はすっかり位置が分からなくなってしまいました。
 中間地点の「さくらんぼホール」は、第五小学校のすぐ近く。坂道を登り切って約10分、随分遠くに来たような感じがしましたが、実は駅から直線距離で400mしか離れていません(バスの距離は公式には2km)。自由に使える自家用車を持っていない住民にとっては、今回のバス運行はやはり必要だったのだと、比較的高齢の方でぎゅうぎゅう詰めになっている車内で考えていました。


▲さくらんぼホールで停車中の様子

 というわけで、さくらんぼホール経由の循環線は30分弱で、玉川学園前駅に無事帰ってきました。
 今回は借り入れ車での出発となりましたが、現地でうかがった情報では、いずれ専用の新車を町田営業所に配置するまでの「つなぎ」ということです。名目上、試験運行とはいえ、玉川学園コミュニティバスは今後正式路線になる可能性が高いようです。


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